飲食店の来店・出前コンサルタント、牧 泰嗣さんにフードデリバリービジネスの要点をお伺いしました。
目次
◆デリバリーで最も気をつけるべきクレームとは?
出前館の「口コミ」を見ると低評価になっている原因の多くは、配達時間が遅いことです。
自店でデリバリーをしていてもクレームの第1位は、配達時間が遅いことなのです。
私どものご支援先では「お届けまでに60分かかります」と伝えたところ、注文を断られたこともありました。
それだけ、お客様はデリバリーでは配達時間を重視しています。
配達時間が送れると、料理が冷めてしまう原因にもなり、それもまたクレームになってしまいます。
もし、配達時間が遅くなってしまえば、お客様はその店には注文しなくなると思っていただいてもいいくらいです。
ある店では、大切な常連客に配達時間で大幅な遅れを出したために、注文が来なくなったこともありました。
このように配達時間の遅れは、売上に大きなマイナスを及ぼします。
競争が激しくなっているデリバリー業界では、配達時間の長さと遅れが大きな痛手になることもあります。
限られた商圏で商売をするデリバリーで売上・利益を伸ばすためには、リピーターを増やすことが絶対条件です。リピーターを増やすためにも、宅配時間を早く、正確にすることが重要な経営課題なのです。
◆デリバリースタッフの接客でリピーターは増える
コロナ禍によって、大手チェーンから中小個人店までウーバーイーツや出前館のシェアリングデリバリーなどの宅配代行業へ加盟する飲食店が非常に多くなりました。これでデリバリー業界は戦国時代に入ったといっても過言ではないでしょう。
しかし、宅配代行業者についてネットを調べると、玄関先に商品を放置された、届いた商品が崩れていた、汁が漏れていたなど、宅配代行業者へのクレームも多いのが実情です。さらに、配達員の態度が悪い、そんなクレームもあります。
しかし、自店でデリバリーする場合は、デリバリースタッフを店でしっかり教育していますので、お客様からはデリバリースタッフに高い評価をいただています。
競争が激しくなっている中、いい加減な対応をする配達員と、充分に教育をされたデリバリースタッフではどちらが、リピーターになってくれるでしょうか?
宅配ピザチェーン、銀のさら、マクドナルド、KFC、お届けガスト、CoCo壱番屋などは宅配代行業者も利用していますが、積極的に自店デリバリーを行って、売上・利益を伸ばしています。
リピーターを増やして行くためには、好感が持てるデリバリースタッフと配達時間の短縮化、正確性が欠かせません。それが差別化にもなり、競争に勝って、デリバリーの売上・利益が伸びて行きます。
◆売上・利益を決定するのが、デリバリーコスト
自店デリバリーで大きなウエイトを占める経費は、販売促進費とデリバリーコストの2つです。
販売促進費は、デリバリーを開始した当初はかかりますが、お客様への認知度が高まるにつれ、売上高対販促比率としては下がっていきます。
デリバリーコストは、売上が伸びていていけば、コストは増えていきますが、売上高対デリバリー比率は一定に抑えておかなければ利益は出ません。
複数のデリバリースタッフが配達業務をしているなか、誰がどこにいるのかを把握していないと、無駄な時間を作ってしまい、デリバリーコストの無駄遣いになってしまいます。
ベテランの社員がいれば、誰がどこにいるのか,おおよその見当はつきますが、正確ではありませんし、ベテランの社員がいなくなれば機能しなくなります。
大切なのは誰がやっても同じように効率的にデリバリーをコントロールすることです。
そのためには、デリバリーの見える化が必要になり、ITを活用することは欠かせません。
そこで威力を発揮するのが、(株)オンラインコンサルタントが開発した「ODINフードデリバリー」です。
大手チェーンでも使用されており、すでにデリバリーの売上が1.5倍になっています。中には2倍になった店もありました。
なぜ、売上が1.5倍になったかといえば、店のパソコンとデリバリースタッフのスマホに、お客様の家までの道順が表示できるため、道に迷うタイムロスがないからです。GPSで渋滞情報も把握でき、最短で届けられるルートがわかります。これなら新人のデリバリースタッフでも安心です
もっと大きなメリットは、お客様のところから帰店するときに、デリバリースタッフが店に近づくと店に通知が来ることです。あとどれくらいでデリバリースタッフが帰ってくるかがわかるため、次に配達する商品を準備しておけます。
これで、デリバリースタッフは調理が終わるまで店で待つ必要も無くなり、店に帰ってきたらすぐに次の配達に向かうことが出来ます。
調理してすぐに、それも短時間でお客様にお届け出来るので、ほぼできたての状態で届けられ、お客様の満足度もリピート率もアップします。
店としても、最大のメリットは注文が集中するピークタイムに時間を無駄にしないので、配達の時間遅れや注文をお断りすることがなくなります。1時間に配達できる件数も増え、売上も伸びていくのです。
例えば、デリバリースタッフの人件費を1時間1200円、注文単価を3000円とします。
スタッフが1時間で2件配達ならば、売上は3000円×2=6000円となり、デリバリーコストは1200円です。
デリバリーコストは20%となります。
1時間で3件配達できれば、売上は3000円×3=9000円となり、デリバリーコストは1200円ですからデリバリーコストは13.3%まで下がります。
さらに、「ODINフードデリバリー」では、過去に配達した場所の履歴もわかりますので、どの地区からの注文が多いのかも視覚的、直感的にわかり、効率的な販売促進にも役立ちます。
配達時間の効率を上げることが、売上・利益に直結します。
競争の激しいデリバリーで生き残って行くためには「ODINフードデリバリー」を活用して、短時間で効率よく配達できるシステムを作り上げて行くことが求められます。
有限会社マクウェル 代表取締役 牧 泰嗣
飲食店の来店・出前コンサルタント。
15年間、個人店から中堅チェーン店まで、130店舗において飲食店の出前・出前コンサルティングを行い、売上・利益を上げ続けてきた。
手がけた業種は、仕出し・割烹・寿司・中華・洋食・弁当・天ぷら・トンカツなど多岐に渡る。テレビへの出演、雑誌への寄稿なども多数行っている。